この記事では、ファクタリングを実際に行うに際して生じる9つのリスクを解説。
そして、リスクヘッジの方法もあわせて解説していきます。
ファクタリングを安心して行えるよう、この記事を活用してください。
・それぞれのリスクに対する対処法もあわせて解説
・ファクタリングを利用する上で注意すべきポイント
ファクタリング取引における4大リスクとリスクヘッジ法
ファクタリングのリスク(危険性)4点と、そのリスクヘッジ(対処法)について学んでいきましょう。
- デフォルトリスク
- 過剰・不当返品リスク
- 取引先からの信頼悪化
- 悪質業者による詐欺
それぞれのリスクヘッジと合わせて見ていきましょう。
1. デフォルトリスク

取引先が倒産・合併することにより債務不履行となるリスク
企業間取引を行う上で、一番起こりやすい上に大きなリスクであるため、常に注意すべきリスクです。
1.常に取引先の経営状態に目を光らせておく
2.入金が遅れている取引先には早めに催促をする
3.売却額が低くなってしまったとしても早めに債権を譲渡する
遅滞が繰り返されたり、長期間に及んだりするようであれば、契約を解除することも検討しましょう。
2. 過剰・不当返品リスク

商品が過剰・不当に返品されたり、リコールされたりすることによって、売掛債権が減ってしまうリスク
別の呼び方としては、「債権の希薄化リスク」ともいいます。
極端な例として、あまりにも大量に返品・リコールされてしまえば、倒産の可能性も……。
1.返品率をしっかり把握しておく
2.企業努力によって返品・リコールを減らす
把握することで、返品分をあらかじめ除外して売り上げを予測することも可能に。
結果的に、経営の安定にもつながります。
そして、返品除外分を担保や債権設定することで、問題をのちのち回避することも出来ます。
3. 取引先からの信頼悪化

債権譲渡や、担保提供を知られることによる、取引先からの信頼を失うリスク
信頼を少し失うだけでも、場合により契約解除に繋がってしまうことも……。
1.信頼関係が十分に築けている取引先を、譲渡する債権、提供する担保として選択する
2.取引先へ知らされることのない方法を選択する (例:2社間ファクタリング)
基本的には、知られても困らない取引先を選択しましょう。
4. 悪質業者による詐欺

ファクタリング業者を騙る、悪質な無許可貸金業者に引っかかってしまうリスク
引っかかった場合、法外な利子での貸付や、回収不能の際債権を取りあげられる被害に遭ってしまいます。
1.事前にしっかりとファクタリング業者について調査を行う
少しでも怪しいと感じたら契約を結んではいけません。
ファクタリングのシステム自体における5大リスク
ファクタリングは融資ではなく、債権の売買なので下記に説明する5つのリスクを抱えています。
- ファクタリングは金融庁の監督下にない
- 貸金業法の適用外であり、利息制限法にも当てはまらない
- 売却先の理解が得にくく、3社間ファクタリングが利用しにくい
- 超短期融資と分類したときにパフォーマンスに問題が悪い
1. ファクタリングは金融庁の監督下にない
本来、融資を含む貸金業は貸金業登録の上で、金融庁監督下で営業を行わなければなりません。
貸金業法という法律のもと管理され、利息制限等のルールもあるので安全と言えます。
一方で、ファクタリングは融資ではないため、金融庁の監督下にはありません。
しかし、手数料が高額になったり、悪質業者に引っかかってしまったり等リスクもあるのです。
2. 貸金業法の適用外であり、利息制限法にも当てはまらない
法外な手数料であったとしても、双方の合意の上であれば法律違反にはならないのです。
そのため、悪質業者かどうかの見極めがとても大切。
もしも、騙されて法外な手数料を請求されたとしても、法律を持ち出して対抗することは出来ないからです。
3. 売却先の理解が得にくく、3社間ファクタリングが利用しにくい
ファクタリングを利用することで経営が苦しいのかと勘繰られて、取引を見送られるケースがあります。
3社間ファクタリングを利用する際には取引先の説得が困難になる場合があることは意識しておきましょう。
4. 超短期融資と分類したときにパフォーマンスが悪い
ファクタリングは短期融資として捉えると、コストパフォーマンスの悪さが目立ちます。
そもそも、2社間ファクタリングの手数料は15%~25%と高め。
一方、ビジネスローンは15%ほどの金利。
しかし、ビジネスローンが年利であるのに対し、ファクタリングは2~3ヶ月での手数料なのです。
繰り返し利用すると、手元に残るキャッシュには大きな差が。
短期間での頻繁な利用はおすすめ出来ません。
分類 | 手数料 | 期間 |
2社間ファクタリング | 15%~25% | 2-3ヶ月 |
ビジネスローン | 15%程度 | 12ヶ月(年利) |
依頼者、業者双方がリスクを負う構図
ファクタリングは法外な手数料や不要な契約などが依頼者側のリスク。
一方で、ファクタリング会社側にも下記5点のリスクがあるのです。
- 依頼者が売掛金を横領するリスク
- 別の業者に債権を二重譲渡されるリスク
- 架空の債権を現金化されるリスク
- 売掛先が倒産するリスク
- 虚偽申告をされるリスク
ファクタリング会社もリスクを負っているため、手数料が高めに設定されています。
リスクの低いファクタリング会社おすすめ
リスクの低いファクタリングは、銀行が提供するファクタリングサービスです。
銀行系ファクタリングのメリットとデメリットは下記の通り。
・手数料が安い
・銀行が提供しているため信頼性が高い
【デメリット】
・3社間ファクタリングのみの場合が多い
・審査に2~3週間かかる
手数料相場 | 1%~ |
資金調達スピード | 2週間~ |
買取限度額 | 200万円~ |
銀行系ファクタリング会社のおすすめは2社です。
1. みずほファクター
(公式HP:http://www.mizuho-factor.co.jp/)
みずほファクターの特徴は国内のみならず、国際ファクタリングにも対応していること。
海外へ製品を輸出している企業にとっては貴重な存在です。
また、代金回収サービスも行っています。
懸念点としては、審査が極めて厳しいこと。
他のファクタリング会社に比べると審査には通りづらいです。
手数料 | 不明 |
対応額 | 200万円~ |
最短でどのくらいで入金されるか | 1週間~ |
営業時間 | 9:00~17:00 (平日のみ) |
電話番号 | 03-3286-2330 |
2. 三菱UFJファクター
(公式HP:https://www.muf.bk.mufg.jp/)
三菱UFJファクターの特徴は高額の取引に特化していること。
また、国際ファクタリングにも対応しています。
3社間ファクタリングがメインで審査も厳しく、大企業向けのファクタリングサービスといえるでしょう。
手数料 | 不明 |
対応額 | 1億円~ |
最短でどのくらいで入金されるか | 2週間~ |
営業時間 | 9:00~17:00 (平日のみ) |
電話番号 | 記載なし (お問い合わせは現在中断) |
ファクタリングを利用する上で注意すべき4点のポイント
ファクタリングを利用することになった場合に注意すべき点は4点。
- 他の資金調達手段が利用出来ないときに利用すべき
- 利用する業者をあらかじめリサーチ、すぐに申し込めるように準備しておく
- 極力3社間ファクタリングを利用
- 利用者側のモラルも審査され、直接面談は必須=地方は若干不利
4点をそれぞれ解説します。
1. 他の資金調達手段が利用出来ないときに利用すべき
前述した通り、ファクタリングはコストパフォーマスの面では他の資金調達方法に劣ります。
もちろん、即日資金調達が出来るという点はファクタリングの大きなメリット。
ですが、資金繰りがそこまで苦しくない状況であればデメリットの方が目立ってしまいます。
緊急性のある時はファクタリング、そうでない時は他の方法というように使い分けが大切
2. 利用する業者をあらかじめリサーチ、すぐに申し込めるように準備しておく
ファクタリングは優良な業者と悪質業者が入り混じっているというのが現状です。
そのため、利用に際しては事前の調査が大切。
緊急時は余裕がなく、しっかり調べることは困難です。
調査、書類の準備等まで済ませておけば、いざというときに安心出来ます。
3. 極力3社間ファクタリングを利用
3社間ファクタリングの方が、手数料が安い、審査が通りやすいというメリットがあります。
業者によっては取引先に一緒に出向いて話をしてくれるところも。
取引先への相談に不安のある場合はぜひ活用しましょう。
4. 利用者側のモラルも審査され、直接面談は必須=地方は若干不利
ファクタリングは依頼者と業者の双方がリスクを負う構図なので、双方のモラルが重要。
そのため多くのファクタリング会社で面談は必須。
面談するために長距離を移動せざるを得ない地方の在住の方は、若干不利となります。
また、交通費などは原則依頼者負担なので気をつけましょう。
ファクタリングのリスクと対処法まとめ
ファクタリングのリスクと対処法を紹介してきました。
ファクタリング利用には懸念点もありますが、リスクを考慮し利用すれば利用者側にメリットがあります。
利用する上で注意すべき4点のポイントを再度確認し、上手くファクタリングを利用してください。
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