ファクタリングで内容証明が届いたら? 意味・対応方法を解説

資金繰りに窮した場合に、ファクタリング関係の会社から「内容証明郵便」が届くことがあります。内容証明郵便は場合によっては深刻なトラブルに発展しかねないため、適切な対応が求められるのです。

そこで本記事では、ファクタリングで届く内容証明郵便の意味や対応方法について詳しく解説します。

クリックできる目次

内容証明郵便とファクタリングの基本知識

内容証明郵便とファクタリングの基本知識

まずは内容証明郵便の意味について解説します。また、ファクタリング関係で内容証明郵便が届くケースや確認すべきポイントについて紹介しますので、ぜひご覧ください。

内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは、郵便局が文書の内容と発送日時を証明する特別な郵便を指します。

相手に届いたことを証明できるため、裁判などで証拠として使われたり、法的措置を取る前段階として送られたりする文書ですが、内容の強制力はありません。

ビジネスで内容証明郵便が重要視される理由は、発送日時と文書内容が明確になるからです。郵便局が証明することで、「いつ」「どのような内容」が発送されたのか明確な記録が残ります

ファクタリングで内容証明郵便が届くケース

ファクタリングで内容証明郵便が使用される場面は、債権譲渡を通知する場合、支払いが遅延した際の督促、契約解除の通知の3つのケースが挙げられます。

特に3社間ファクタリングでは、債権譲渡の事実を債務者に通知する必要がありますので、内容証明郵便で通知することで債権譲渡の事実と支払先の変更を確実に伝えられるのです。

また、支払いが遅延した場合には、ファクタリング会社は内容証明郵便で支払い督促を行います。支払期日や金額などを明確にして、支払いを求める内容となるのです。

契約解除の通知も内容証明郵便で行われます。契約解除の理由や返済方法、期限などが記載され、これに従わない場合は法的措置が実行される事態も考えられます。

受け取り時の基本的な確認ポイント

内容証明郵便を受け取った際は、まず差出人を確認しましょう。ファクタリング会社からの場合、会社名や住所を記録に残しておくことが重要です。

到着日時は、メモを取っておくことをおすすめします。内容証明郵便の封筒や配達証明書に記載された日付を写真に撮るなどして、確実に記録を残しておきましょう。

保管する際は原本を傷めないように、クリアファイルなどに入れて大切に保管することが重要です。内容証明郵便は重要な文書となるため、破損や紛失は避けなければなりません。

内容証明郵便に記載されている内容

内容証明郵便に記載されている内容

ファクタリング会社からの内容証明郵便には、確認すべき重要な情報が記載されています。記載内容を正確に理解して、適切な対応をとることが経営者としての責務といえるでしょう。

3社間ファクタリングでの債権譲渡通知

3社間ファクタリングにおける債権譲渡通知では、まず債権譲渡の事実確認が必要です。どの債権がファクタリング会社に譲渡されたのか、取引先との契約書や請求書と照らし合わせて確認しましょう。

譲渡債権の内容確認では、金額や支払期日が重要です。通知された金額が実際の債権額と一致しているか支払期日に誤りがないかを慎重に確認します。

支払先情報は、特に注意が必要です。振込先の銀行口座が変更になるケースが多いため、新しい支払先の情報を正確に記録しておきましょう。

支払い遅延時の督促通知

督促通知を受け取った場合には、支払期日を確認することが重要です。期日までに支払えない場合は、早めにファクタリング会社に連絡しましょう。

滞納金額は、延滞利息なども含めて計算されます。支払期日を過ぎると追加の費用が発生するため、総支払額を正確に把握することが重要です。

一括払いが難しい場合は、分割払いの相談も検討しましょう。

契約解除時の通知内容

契約解除には、解除理由が正当なものか確認することが必要です。支払遅延や契約違反などの具体的な理由が記載されているはずですので、チェックしておきましょう。

また、返済方法には、期限や金額が明確に示されています。返済条件が現実的に対応可能かどうか慎重な判断が必要です。

対応時間には通常明確な期限が設定されていますので、期限内に対応できない場合は早めに交渉する必要があります。

内容証明が届いた時の対処法

内容証明が届いた時の対処法

内容証明郵便が送られてきたときには、冷静な判断と適切な対応が求められます。そこで具体的な対処法を解説しますので、ぜひご覧ください。

到着直後の初期対応

内容を確認して金額や期日、支払条件などに誤りがないか確認しましょう。もし誤りを発見した場合には、証拠を残しておきます。

文書の内容に不明な点があれば専門家に相談することをおすすめします。

支払い督促への対応手順

支払い計画は、現実的に立案する必要があります。もし支払いが難しい場合にはファクタリング会社に対して現状を正直に説明して、実現可能な返済プランを提案しましょう。

すぐに返済できない場合でも、誠実に対応すればその後の手続きがスムーズになる可能性があります。

専門家への相談タイミング

弁護士や司法書士への相談は、契約解除通知を受けた場合や法的措置の警告がある場合に求められます。また、税理士への相談も資金繰りの改善策を検討する際に有効です。返済原資の確保方法など具体的なアドバイスが得られるでしょう。

場合によっては、経営コンサルタントなど他の専門家への相談も検討しましょう。経営改善のアドバイスが期待できます。

内容証明に関する注意点

内容証明郵便は、法的に相手方が通知を行った証拠としての効力・能力を持ち、かつ法的措置を執るための前段的な通知です。文字通り「最後通牒」となる文書のため、慎重な対応が求められます。放置や無視をしてしまうと状況を悪化させてしまいますので、内容に沿って必ず対応しましょう

内容証明に関するよくある質問

内容証明に関するよくある質問

内容証明に関するよくある質問と回答についてまとめました。代表的な質問について、実務的な観点から回答していきます。

内容証明が届いたら、必ず支払わなければいけないか?

支払い義務は内容証明の種類によって異なりますが、支払督促の場合には正当な理由がなければ支払う必要があります

しかし、支払拒否が可能なケースもあり、請求内容に明らかな誤りがある場合や債権の存在自体に疑義がある場合が該当します。

内容証明に返信する必要があるか?

返信が必要となるケースは限定的です。債権譲渡通知に対する異議申立てなど明確な理由がある場合に限られます。もし返信する場合には、同じく内容証明郵便で返信しましょう。

内容証明を無視するとどうなるか?

内容証明が届いたのに無視してしまうと、法的措置として支払督促や訴訟が提起される可能性があります。対応が遅れるほど状況は深刻化してしまいますので、迅速な対応が必要です。

支払いが遅れると信用情報機関に記録が残る場合もあり、事業継続に大きな影響を及ぼす可能性が懸念されます。こうなってしまうと事業継続へのリスクは計り知れず、取引先との関係悪化や金融機関からの信用低下につながるでしょう。

まとめ

ファクタリング関係で内容証明郵便が届いた場合には、迅速かつ適切な対応が求められます。受け取った際は必ず内容を確認して、期限内に適切な対応を取ることが重要です。

状況が深刻な場合や判断に迷う場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。内容証明郵便への適切な対応は、事業継続の観点からも経営者としての重要な責務となりますので、困った場合にはぜひ本記事をお役立てください。

この記事を書いた人

ファクタリングの 達人編集部のアバター

ファクタリングの 達人編集部

自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。

クリックできる目次