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売掛金を早期に現金化するファクタリングは、中小企業における資金繰りをサポートする選択肢の1つです。ファクタリングを利用するには各種書類の提出が必要ですが、初めて利用する経営者にはハードルが高く感じられるもの。
本記事では、必要書類の種類から取得方法、書類提出が少なく済む会社の選び方まで、実践的な情報を解説していきます。
ファクタリングでは、企業の実態や取引の正当性を確認するため、複数の書類提出が求められます。一見すると面倒に思える書類準備ですが、実際には多くが普段から手元にある書類です。
よって、書類の種類と役割を予め理解することで、スムーズな準備が可能となります。事前に書類を準備することができれば、資金調達までの時間を大幅に短縮できるでしょう。
商業登記簿謄本は、企業や代表者などに関する情報が記載された証明書です。提出する際は、発行から3ヶ月以内のものが求められ、お近くの法務局で取得できます。請求時は、「履歴事項全部証明書」として取得する必要があり、費用は1通600円となります。
印鑑証明書は、実印の証明となる公的書類です。市区町村役場で取得でき、発行手数料は300円程度です。個人事業主の場合は、住民票と印鑑登録証明書が必要となります。法人の場合、印鑑証明書は法務局で取得することになり、費用は1通450円です。
預金通帳のコピーは、口座名義と取引状況が確認されます。表紙と1~2ページ目のコピーが必要で、口座名義と会社名が一致していることが重要です。通帳の記帳を最新にしておくことで、よりスムーズな審査につながります。
決算書は、直近2期分が標準的な提出要件となります。財務三表と呼ばれ、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書が基本セットです。設立間もない企業は1期分の提出でも対応可能な場合があります。
身分証明書は、運転免許証やパスポートが一般的です。マイナンバーカードも使用可能ですが、マイナンバー部分は必ず隠す必要があります。有効期限内であることと、現住所が一致していることが重要です。
売掛先との契約書では、取引の実在性と継続性が確認されます。基本契約書や注文書、請書など、取引条件が明確に記載された書類が対象となります。契約書がない場合は取引履歴や請求書で代用できることもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
商業登記簿謄本と法人の印鑑証明書は、法務局の窓口の他、オンライン申請システムでも取得可能です。オンラインの場合、郵送受取になると受取まで1週間程度かかってしまいますが、急ぎの場合は窓口での即日受取も可能となっています。
決算書は、確定申告時などの控えをスキャンしておくことで、急な必要時にも対応できるため、日頃から用意しておくのがお勧めです。
また、契約書類は原本のコピーを取る際、文字が鮮明に読み取れる品質が求められます。
スマートフォンでの撮影は避け、スキャナーでの取り込みが推奨される点に注意です。両面印刷の場合は裏面も忘れずにコピーしましょう。
提出前の有効期限確認は特に重要です。商業登記簿謄本と印鑑証明書は3ヶ月以内、決算書は直近のものであることを確認します。身分証明書は有効期限切れに注意しましょう。
コピーの品質基準は、文字が鮮明で判読可能であることが最低条件となります。カラーコピーが必要な書類もあり、事前に確認が必要です。デジタルデータの場合はPDF形式が一般的で、解像度は300dpi以上が望ましいとされています。
なお、原本が必要な書類は、商業登記簿謄本と印鑑証明書が一般的です。契約書や決算書はコピーで問題ありません。提出時は原本の返却についても確認しておくのがお勧めです。
ファクタリング会社選びにおいて、書類準備の手間を最小限に抑えることは、経営者の貴重な時間を節約することにつながります。ここでは特に必要書類が少なく、申込手続きがスムーズな会社について、各社の特徴や申込条件などについてまとめてご紹介します。
業者名 | 特徴 | 審査スピード | 入金スピード | 手数料 | 契約方法 | 申し込み資格 | 利用限度額 | 必要書類 |
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株式会社ビートレーディング | 全国に5店舗展開 | 最短2時間 | 最短2時間 | 2%~ | 対面契約オンライン契約 | 個人事業主の利用可 | 3万円~7億円(実績値) | 代表者の身分証明書通帳のコピー(2ヶ月分)売掛債権に関する書類(契約書・発注書・請求書など) |
えんナビ(株式会社インターテック) | 3社間対応。ノンリコース契約 | 最短即日 | 最短即日 | 不詳 | 対面オンライン郵送 | 個人事業主の利用可 | 50万円~ | 代表者の身分証通帳(3ヶ月分)対象の請求書 |
日本中小企業サポート機構 | 3社間対応 | 最短30分 | 最短3時間 | 1.5%~ | 非対面契約可 | 個人事業主の利用可 | 下限上限なし | 代表者の身分証通帳のコピー(3か月分)売掛金に関する資料(請求書・契約書など) |
ファクタリング各社の書類審査には特徴があり、業界経験の長さや与信管理などにより要求される書類が異なります。大手企業は独自の審査システムにより、最小限の書類で迅速な判断が可能です。一方、中小規模の業者は丁寧な審査を行うため、追加書類を求められることがあります。
申込みから入金までの流れは、基本的に書類提出→審査→契約→入金という手順です。オンライン完結型のサービスでは、スマートフォンでの書類アップロードから最短当日入金まで可能な場合もあります。
書類提出方法は、従来の郵送やFAXに加え、専用ポータルサイトでのアップロードが主流です。電子契約の導入により、来店不要で手続きが完了するサービスも増えています。
審査通過率を上げるために、決算書は特に重要となっていて、売上高や利益率の推移が審査のポイントです。
経営状態が厳しい場合でも、改善傾向が見られれば好材料となります。
また、書類不備の典型例は、押印漏れや記入ミスです。チェックリストを作成し、提出前に複数回確認することが不備をなくすコツです。不備が発生した場合は速やかな対応が求められるため、訂正印の押し方などにも注意しましょう。
時間短縮のポイントは、必要書類を事前に電子化しておくことです。スキャンデータを整理して保管しておけば、急な資金需要にも迅速に対応できるでしょう。
ファクタリングの利用を検討する際、書類提出に関する疑問や不安を抱える経営者は少なくありません。提出のタイミングや不備が発生した場合の対応など、実務的な観点から重要となる事項を質問形式で解説します。
申込みから書類提出までの標準期間は5営業日程度です。ただし、資金需要の緊急度が高いのであれば、即日準備も視野にいれる必要があります。
また、急ぎの場合は、オンライン完結型のサービスを選択するのが得策です。事前に電子化された書類があれば、申込み当日の契約も可能となるでしょう。ただし、原本提出が必要な場合は、提出後に契約となるケースもあるため注意が必要です。
提出書類に不備がある場合、審査の進行に支障をきたします。一般的な不備としては、有効期限切れ、必要項目の記入漏れ、押印不備などが挙げられます。不備が発見された時点で審査は一時中断となるでしょう。
不備の対応手順は、まず訂正内容の確認を行います。単純な記入ミスであれば訂正印での対応が可能ですが、重要書類の場合は再取得が必要になることもあります。再提出時は不備箇所を重点的にチェックし、新たな不備が発生しないよう注意しましょう。
提出方法は各ファクタリング会社によって異なりますが、一般的には郵送、FAX、電子メール、専用ポータルサイトでのアップロードなどです。近年はペーパーレス化が進み、電子提出が主流となっています。
各提出方法にはメリット・デメリットがあります。
郵送は確実性が高いものの、時間がかかる点がデメリットです。FAXは手軽ですが、字が小さい書面の場合、画質の低下が懸念されるでしょう。電子提出は迅速かつ高品質ですが、書類が多いケースではデータ容量に制限があるため注意です。
なお、オンライン提出時は情報セキュリティの管理に注意しましょう。暗号化通信の確認や、個人情報の取り扱いには細心の注意を払い、提出後は受領確認を得ることが重要です。
ファクタリングの利用において、必要書類の準備は必須項目です。事前に必要書類を把握し、計画的な準備を行うことで、スムーズな資金調達が可能となるでしょう。
特に原本が必要な書類は取得に時間がかかるため、早めの対応が重要です。また、書類が少ない会社を選ぶことも手続きの簡素化につながるので、ぜひ参考にしてみてください。
ファクタリングの 達人編集部
自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。